ドリーム小説 「うぅう・・・・・・寒いよぃ、寒いよ兵助君」
「我慢してください。みんな寒いの我慢してるんですから」
焔硝蔵で火薬の量を確認している火薬委員。
「お、寒そうにしている」
ニヤニヤ笑いながら蔵の外から会話を聞いているのがこの私、
「みーんな!!甘酒持ってきたよ!!」
ジャーン、という効果音付きで焔硝蔵に入る。
「あ!!」
先輩!!」
「甘酒!!」
「それどうしたんですか!?」
上から順に、伊助君、三郎次君、タカ丸君、兵助君。
みんな想像してた通りの反応だなぁ。
「寒いところで作業している火薬委員のために買ってきた」
「え!?」
「わざわざ!?」
「わーい!!」
「いくらでしたか?払いますよ」
わー。兵助君喜んでよ。
「買ってきたってのは冗談。貰ったのよ」
「貰ったんですか!?」
「誰に!?」
ちゃんモテるねぇ」
先輩人望熱いですもんねぇ」
火薬委員の声を聞きながら座り、甘酒を注ぐ。
「はいみんな飲みなさーい」
「「「「「はーい」」」」」
みんな可愛いなぁ。
「でも何でわざわざ持ってきてくれたんですか?」
と、兵助君。
「文次郎がブツブツ言ってたのよ。甘酒代なんてふざけたこと書きやがってってね」
タカ丸君のことをにらむ兵助君。
笑っているタカ丸君。
犯人君か。
「でね、焔硝蔵は寒いからいいじゃないって言ったの」
先輩すごい・・・・・・」
「あの文次郎先輩にそんな事言うなんて・・・・・・」
「で、どうだったの!?甘酒代どうだったの!?」
「タカ丸さん、うるさいです」
伊助君と三郎次君、文次郎は話せばわかるやつだよ。頭固いけど。
タカ丸君子どもっぽすぎ。落ち着こうよ。一応15歳なんだから。
兵助君冷静ね。さすが委員長不在の火薬委員をまとめてるだけあるね。
「バカタレぃ!!って言われて算盤で殴られた」
「ひぇぇえ!!算盤、団蔵が10kgあるって言ってたような・・・・・・」
「だだだ大丈夫なんですか先輩!?」
「いいいいいい痛くない!?保健室行く!?」
「というかよくそんな状態でここ来れましたね!!」
みんな顔真っ青。
「大丈夫よ。で、ムカついたから、この石頭ーって言って股間蹴り上げてきた」
「・・・・・・・・それは・・・・・・・・」
「・・・・・・・・痛いですね・・・・」
「・・・・・・うっわぁ。ご愁傷様」
先輩、男子にそれやるのやめましょうね・・・・・・・・」
そんな痛いんだ。
私女の子だからわかんなーい。
「文次郎うずくまっちゃってさぁ。覚えとけよって言われて怖かったから通りかかった仙蔵に頼んで宝禄火矢文次郎に投げてもらった」
「え・・・・・・」
先輩・・・・・・」
「すごいねちゃん」
「で、大丈夫なんですか?」
「ん?文次郎が?」
「いえ、先輩が」
「大丈夫大丈夫。文次郎なんてカスよカス!!」
あっはっはと笑って言うと、火薬委員が青ざめた顔をして私の後ろ、つまり焔硝蔵の出入り口を指さす。
「ん?どうしたの?」
みんな口をパクパクさせて金魚みたいだぞ。
「・・・・・・・・・・・・先輩、うしろ・・・・・・」
やっとのことで兵助君が口を開く。
ん?後ろに何があるんだ?
振り向くとそこに
・・・・・・・・・・・・・・・・」
焦げ臭い臭いを発している潮江文次郎がいた。
「うっわ文次郎焦げ臭い!!」
「お前の所為だバカタレぃ!!」
算盤で殴られそうになるがひょいとかわす。
「同じ手に引っ掛かるかばーか!!」
「なっ!?あ、てめっ、逃げんな!!」
焔硝蔵から飛び出す。
「じゃ、みんなで仲良く甘酒飲んでね!!」
「待て!!」
「だーれが待つかカス!!」
「カスじゃねぇ!!」
「あ、仙蔵!!文次郎のことよろしく!!」
「げっ」
「まかせろ
「てめっ!!何でのことかばうんだよ!!」
「甘酒をもらってな」
「買収かよ!!」
「くらえっ」
「ぎゃぁぁぁあぁぁぁぁああああああ」










「・・・・・・・・・・・・先輩、行っちゃいましたね」
「甘酒持ってきてくれたのって、貰いすぎて余っちゃったからなんでしょうね。仙蔵先輩にもあげてるし」
「沢山あるなら僕にもくれないかなぁ」
「というか焔硝蔵の傍で宝禄火矢使わないでほしいなぁ」