ドリーム小説


落ちた。

善法寺伊作が綾部君が掘ったタコ壺に落ちた。

私が「ごめーん、飽きちゃったから別れよう」言ったら落ちた。

「え・・・・・・あ・・・・う・・・・・」とか言いながら一歩後ずさって落ちた。

綾部君の穴に落ちるのはいつもの事だけど、やっぱり心配。

「大丈夫、伊作」

急いで穴をのぞきこめば、イテテと頭をさすっている伊作の姿。

よかった。大怪我はないみたい。

「ホラ伊作、つかまって」

私はいつもしているみたいに伊作に向かって手を伸ばす。

だけど伊作はそれをはじいた。

「え?」

勿論そんな事されたのはなじめてで、動揺する。

何で?

何で伊作はそんな事するの?

「僕に飽きたんでしょ?別に助けなくたっていいよ。一人で出れるから」

「・・・・・・・・・・・・」

どうしよう。

嘘なのに、伊作、本気だと思ってる。

伊作、すっごい怒ってる。

「えっと・・・・・・・・・・ごめんなさい」

素直に謝る。

「嘘、です。伊作に飽きたなんて嘘」

「・・・・・・・・・・嘘?」

「だって、今日エイプリルフールでしょ?だから・・・・わっ」

グイと引っ張られてタコ壺の中の伊作の上に落ちる。

「いいいいい伊作!?」

「よかったー、嘘で」

ぎゅぅっと抱きしめられる。

「少しの間、このままね」

「え、人来たらどうするの」

「見せつければいいでしょ?」

「でも・・・・・・」

「僕は傷ついたんだよ?このくらいいいでしょ?」

ニコリと笑う伊作。

・・・・・・・・・・黒い。笑顔が黒いです。

「・・・・・・ごめんなさい」

「他に言う事は?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

「他に言う事は?」

「・・・・・・大好きです」

「うん、僕も大好きだよ」

そして、さっきよりもきつくきつく抱きしめられた。