ドリーム小説




「兵助!!」



朝のSHLが終わると同時に響く大きな声。

声の方を見ると、ドアに3人の男子生徒の姿が。

今久々知君の名前を叫んだのはどうやら真中にいる・・・・えっと、隣のクラスの竹谷君のようだ。

竹谷君の両サイドには同じく隣のクラスの鉢屋君とくんと不破君。

鉢屋君とは去年同じクラスだったりする。



「兵助!!」



竹谷君は再び久々知君の名前を呼びながら久々知君の元へと寄る。

2人も竹谷君についていく。



「昨日何で部活に来なかったんだよ!!しかも3年が引退して初めての部活に!!」

「サボったから行かなかった」



久々知君はわびる様子もなく、ケロリと答える。

・・・・・・私の所為だよね、久々知君が竹谷君に怒られてるのは・・・・・・・・・・。



「そうじゃない!!何でサボったのかって聞いてんだよ!!」

「ハチ、落ち着きなよ」

「そうそう。兵助だって理由があったからサボったんだから」

「理由?何だよ」



竹谷君が聞くと、鉢屋君が耳元でこそこそと話す。

鉢屋君が離れると、先ほどの怒気はどこに行ったのやら、竹谷君は明るく言った。



「なーんだ。それならしょうがないな」



何を話したの鉢屋君!?



「兵助、頑張れよ」



ポン、と竹谷君は久々知君の肩を叩く。

それを久々知君はポカンと見る。



「ハチ、三郎、もうすぐ授業が始まる!」

「まじかよ。行くぞ、ハチ」

「ああ。兵助、今日は部活ちゃんと来いよ」



3人は教室から駆け出ていく。

と、同時になるチャイム。



「ごめんね」

「え?」



久々知君に謝られる。



「騒がしくて、ごめんね」

「え、久々知君は悪くないよ。それに、竹谷君が怒ってたの、私の所為だし・・・・・・」

「どうして?」

「だって、昨日私のせいで久々知君は部活に行けなかったから・・・・・・」

「違うよ」

「え?」

「昨日私は屋上でサボっていた。
 そしたらさんが来た。
 サボったのは私の意志で、さんは関係ない。
 だから、ハチが怒ってたのもさんの所為じゃない」



―――――久々知君は、いい人だ。

いい人、すぎる。



さんが罪悪感を感じる必要はないよ」



あ、久々知君が笑った。

本日2回目の笑顔。



「うん、ありがと」



自然と私もつられて笑った。