ドリーム小説


「バレーしよう!」



私が小平太に「大っ嫌い」と言うと、小平太は何事もなかったのように言った。



「・・・・・・・・・・えっと、小平太、今私が何て言ったかわかってる?」

「『大っ嫌い』だろ?」

「いや、フツー大っ嫌いって言われた相手にバレーしようなんて言う?」

私が問うと、彼は笑った。

「今日はエイプリルフールだろ?つまり大嫌いという言葉は嘘。本当は大好きという事だ」

ああ、バレバレですか。

「それに」

彼は続ける。

は私の事を嫌いに何かなったりはしない。絶対に」

何故か小平太は勝ち誇ったかのように言う。

小平太は私の腕をグイと引っ張り、歩き出す。

多分バレーのできる所に向かっているのだろう。

ああ、小平太にはかなわないなぁ。

彼は私の事をきちんとわかってくれている。

私は絶対に彼の事を嫌いになったりなんかしない。

それは彼にも言えることで、彼は絶対に私の事を嫌いになったりなんかしない。

それはお互いにわかりきっていること。

言葉には出さないけど、はっきりとわかっている。



「小平太、大嫌い」

「ああ、私もだよ」



私達は歩く。

ただただ歩く。

二人で、一緒に。