ドリーム小説
「「「「はい」」」」
「え?」
昔からいつも一緒につるんでいる4人―――――兵助、八左ヱ門、三郎、雷蔵に毎年習慣になったバレンタインのチョコを渡したら大きな箱を渡された。
「何、これ?」
今日誕生日だっけ?
いやいやいや、そんなこのない。
「逆チョコ」
私の質問に兵助が代表して答えた。
「今年、流行りだろ?」
と、八左ヱ門。
「いっつもホワイトデーにお返しするけど」
「今年はサプライズも含めてみたんだ」
「と、三郎と雷蔵。
「しかも今年は手作り」
「兵助なんて豆腐入れようとしたんだぜ」
「好きな物入れて何が悪いんだよ!!」
「十分悪いよ・・・・・・」
「てことで、はい、
大きな箱の上に豆腐を置く兵助。
「あっ!!てめぇ豆腐あげるって何考えてるんだよ!!」
「バレンタインに豆腐・・・・・・」
「私の一番好きなメーカーの豆腐だぞ」
「そういうことじゃない!!」
「豆腐混ぜなかっただけ有り難く思えよ」
「何でそんな上から目線!?」
「あ、、心配しないでね。豆腐は入ってないから」
「俺からの愛は入ってるけどね」
「それなら私も!!」
「俺だって!!」
「落ちつこうよみんな・・・・・・。
 も何か言ったら・・・・・・?どうしたの?」
雷蔵が下を向いている私の姿を見て、心配そうに声をかけてくる。
「あ、もしかして逆チョコよりホワイトデーの方がよかった!?」
「兵助の豆腐がいけないんだろ」
「いや、それはないぞきっと。豆腐が混ざってないから落ち込んでいるんだろう」
「それはないと思うよ・・・・・・」
「煩いよ、そこ。
 ねぇ、どうしたの?」
バァンッ。
私は両頬を自ら叩いて顔をあげる。
「大丈夫。嬉しくて泣きそうになってたの」
「え?」
「何で?」
「来年もこうしてられるかなって思ったんだ」
「そっか。来年は受験か」
「ちょうど今の時期忙しいもんね」
「そ。だからさ、もしかしたらこういうのも今年までなのかなって思って」
私達の進路はきっとバラバラだろう。
皆、違う道に進んでいく。
五人全員が集まることなんて、念に1・2回あるかないかだろう。
それを考えると、さみしい。
「来年もやろうよ!!」
「そうだよ。来年も、その次の年も!!」
「チョコ作るってのもいいけど、全員で遊びに行くってのもいいよな」
「あ、それ楽しそうじゃん」
「バレンタインだけじゃなくて、誕生日とか、クリスマスとかお正月も!!」
「おいおい、それって他の友達とか彼女作れねぇじゃん」
「そうだね。みんな進路ぱらぱらだもんね、きっと。でも、いいんじゃない?皆で集まるのも」
「あ、毎月決まった日に集まって遊ぶってのどうだ?」
「それいいじゃん!」
「賛成!!」
私抜きでどんどん話が進んでいく。
「ねぇ
「大丈夫だよ」
「俺達はどんなことがあっても俺達のままだ」
「だからさ、泣くな」
八左ヱ門が私の頬を伝うものを指で拭う。
「まだまだ先のことを今考えたって何も分かんないだろ?」
「来年のことは来年、その次のことはその時に考えればいい」
「今は今、その時はその時」
「だから今は思いっきり楽しもうよ」
4人の笑顔。
ああ、私はなんていい友達をもったんだろう。
そうだよ。
先のことをウジウジ考えたって未来がわかるわけない。
「ありがと」
沢山のお礼をこめて言った。