ドリーム小説
急に足元に浮遊感。
あ、タコ壺か。
そう思った瞬間お尻に激痛。
綾部め・・・・・・。
タコ壺掘ってるって言ったら綾部だ。
体育委員会も掘ってるけど、綾部に違いない。
「だ〜いせ〜いこ〜う」
ひょい、と覗いてくる綾部喜八郎。
ほら、やっぱり。
、落ちるの初めてだね」
あ、いつもの無表情が口元緩めてる。
・・・・・・・・・・なんかむかつく。
「違いますー。落ちたんじゃありません。落ちてみたんです」
「ふーん」
にやにや。
・・・・・・・・・・・・ムカツク。
「言っとくけどね、ホントに落ちてみたんだからね!!
 いっつも落ちてる伊作先輩はどのくらい痛い思いしてるのかって思っただけなんだからね!!」
「はいはい」
うっわぁ。絶対信じてないよ。
・・・・・・・・・・・・・・まぁ、嘘なんだけどね。
「ムキになる所が怪しいよね」
「う゛・・・・・・・・・・私は本当に・・・・・・ぎゃぁっ!!」
「色気ない声だね。ホントにくのたま?」
「う、うるさい!!」
そりゃ色気のない声出るよ。
だっていきなり、綾部が私の上に落ちてきたんだから。
「何で落ちてくるの!!」
「違いますー。落ちたんじゃありません。落ちてみたんです」
さっきの私の言葉をそっくりそのまま返す綾部。
「だぁぁぁぁあそんなことどうでもいいからどいてよ!!」
「聞いといてどうでもいいって失礼なんじゃない?」
「うるさい!!早くどいてよ!!重いの!!」
「嫌だ」
「はぁっ!?」
何でどかないの!!
嫌がらせか!?嫌がらせなのか!?
「だってやっと2人きりになれたんだから」
そう言って綾部は私の首元に頭を押し付ける。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぃ?
どういうことですか綾部くん。
「いっつもいっつもと2人きりになりたくてがよく通る所にタコ壺掘ったのに落ちるのは伊作先輩。
 今までずっとが落ちるの待ってたんだからどいたりなんかしないよ」
そして綾部は頭をすり寄せる。
わっ・・・・・・髪の毛くすぐったい。
・・・・・・・・・・・・・・じゃなくて。
「綾部何するの!!冗談やめてよ!!」
密着している綾部の体を押すが、びくともしない。
うぅ・・・・・・これが男と女の差ってやつか。
綾部、顔は女の子みたいなのに。
「冗談なんかじゃないよ。
 私はずっとと2人きりになりたかった。
 に触れたかった。
 を抱きしめたかった。
 それがようやく叶った。
 私は今とても幸せだ」
綾部はあと少しで互いの唇が触れるところまで顔を近づけてきて、そして言った。





「好きです」





と。
私は唯、綾部の真剣な顔を見ることしかできず、気が付いたら綾部の顔がもっともっと近づいていた。