ドリーム小説
3
―――――よかったな!住居が決まったぞ!!
真っ黒な世界にポツンと二つの光。
一つは私で、もう一つが見ず知らずの老人のもの。
えっと・・・・・・
「もしかして、あなた神様?」
―――――そうじゃ。
あ、やっぱり。
声が同じだったからそうだと思ったんだよね。
って違う!!
「なーにが“よかったな!”だよクソジジイ!!
私死んだんでしょ!?いいことなんて一つもないじゃん!!」
―――――いや、だから死んではグハッ
飛び蹴りをした。
あまりにもムカついたので。
―――――こんな事をしてもいいとでも思ってるのか小娘ぇぇぇええええ!!
しるか。
―――――くぅぅ・・・・・・。折角願いを叶えてやったというのに・・・・・・。
「願い?たとえ叶っててもしても死んだら意味ないじゃん」
空から落ちて、死なないわけないじゃん。
―――――死んではおらん。ただそなたの意識を別の空間へと移動させただけだ。
「別の空間?」
なんじゃそりゃ。
―――――この世界について一通り説明せねばならんと思ってのぉ。ワシが作った空間へと移動させた。
名付けて「神様ワールド」!!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
神様ワールド?ふざけてんの?
―――――まぁ、よい。とにかくそなたは死んではおらんし、肉体も無事保護されている。
「そーですか」
ならいっか。
「で、私は何の世界にトリップしたの?」
希望としてはブリーチとか銀魂。
刀振り回してみたいです!!
「忍たまじゃ」
「へー、忍たまか・・・・・・・・・・忍たま!?」
ににににににに忍たまって・・・・・・
―――――幼稚園から小学校低学年まで大体の子どもが見る番組じゃな。
私が言いたかったことを代わりに神様が言う。
なっなっなっ
「何で!?」
―――――何がじゃ?
「何でブリーチとか銀魂じゃないのぉぉぉぉおおおおおお!!」
―――――ランダムで決めたからじゃ。
ランダムかよっ!!
あ゛ー!!期待してたのに・・・・・・。
「今から変えられることはできる?」
―――――無理じゃ。
そんなきっぱりと言わなくたって・・・・・・。
―――――そう気を落とすでない。忍たまの世界にだって強い者はおるじゃろう。
「いるぅ?」
だって忍者の卵だよ。
乱太郎とかきり丸とかしんべヱとか・・・・・・。
ん?まてよ?
先生とかって強いよね?
忍者の先生なんだし。
土井先生山田先生くのいちの若くなったりお年寄りになる先生、あとは・・・・・・
「あ」
いた。
剣豪が。
いっつもいっつも、ゆらり、ゆらり、とかやってる人。
名前なんだっけ?
―――――その顔は強い者を見付けた顔じゃのぅ。
ふぉふぉふぉと笑う神様。
「ありがとう神様!!でもやっぱり私はブリーチとか銀魂の方がよかったであいたっ!!」
殴られた。
―――――わがまま言うな!!
「はいはいすみませんでしたー」
暴力反対!!
・・・・・・さっき飛び蹴りしたけど。
―――――では、そなたの意識を肉体へと戻すぞ。
何かブツブツと唱えだす神様。
「え!?ちょっと待ってよ!!聞きたいことが・・・・・・ぎゃぁぁぁああああ!!」
目の前に現れたのはすでに一回見たことのあるブラックホール。
私は前と同じように吸い込まれていく。
―――――あ、住居について説明するのを忘れてしまった。まぁよいか。
小さくなる神様ワールドからそんな声が。
おいおいおいおいおい。
それが一番大切なことじゃん。
聞きたい。
でも、もう遅い。
どんどん私は吸い込まれる。
「ふっざけんなよクソジジィッ!!」
勿論私の暴言も一緒に。