ドリーム小説

「衣食住の心配はせんでいいぞ」
「ありがとうございます」
煙幕が収まってから、善法寺くんがこぼしたお湯の後片付けして、善法寺くんが倒した薬が入った箱を片付けて、学園長とお話。
善法寺くんは再びお湯を沸かしている。
「でもタダ飯ぐらいは嫌なんで、何か私にでもできる仕事ってありますか?」
世話になるだけってのも申し訳ない。
「仕事?そうじゃなぁ・・・・・・料理はできるか?」
「はい、一応」
両親共々なかなか帰ってこない家だったので必然的に家事は私が全てやっていた。
料理ってことは食堂で働くってことか?
食堂と言えばあのおばちゃん。
おのこしはゆるしまへんでー、だっけ?
「事務仕事なんかはどうじゃ?」
「いいですけど」
事務って確か・・・・・・こまつなさんだっけ?
「学園長、お茶どうぞ」
こまつな・・・・・・。
「おお、すまない」
こまつなだったっけ?
野菜・・・・・・。
「よし決めたぞ!!」
ビクッ
まるっきり他のこと考えてたからびっくりした。
「おぬしにはおばちゃんの手伝い兼事務員をやってもらう!!」
「あ、はい、わかりました。やらせてもらうからには精いっぱい頑張ります」
仕事二つかー。がんばるぞー!!
「面白くない反応をするのぉ・・・・・・」
「え?何か言いましたか?」
「いや、何も」
学園長は言葉を濁して湯呑を手にする。
何か言ったと思ったんだけどなぁ。
「仕事内容は後で説明する」
「はい、わかりました」
「で、おぬしはなぜ他の世界に行きたかったんじゃ?」
ズズッ、と、善法寺くんが淹れたお茶を飲む学園長。
さっきまであんなにむせてたのに今じゃ貫禄のあるお爺さん。
緊張した空気が張り詰める。
「えっと、強い人がいる世界に行きたかったんです」
「は?」
ズテッ
あ、善法寺くんこけた。
「私武道が大好きなんですよ。
 で、私より強い人がいなくて、強い人を求めてある日神頼みしたんです。
 そしたらここに飛ばされました」
「つまりここにさんより強い人がいるってこと?」
「多分」
きっとあのゆらゆらゆれてる先生だと思う。
他にも強い人いっぱいいそうだな。忍者だし。
「おぬしは強い者と戦いたくて神頼みしたのか?」
「はい、そうです」
だって周り弱すぎなんだもん。
「欲望に忠実じゃの」
「え?何か?」
「いや、何も」
絶対何か言ったはずなのに・・・・・・。
ま、いっか。
さんってそんなに強いの?」
「うん、結構」
「へー」
あ、信じてないなその眼。
「勝負する?」
「え?」
「私が強いっての信じられないなら勝負する?」
「いや、信じてないわけじゃないけど・・・・・・」
「面白い。勝負じゃ!!もちろん相手は伊作」
「えぇ!?学園長!?」
まじで!?やった!!
「おぬしの力量を見てみたいと思っていたところじゃ。ちょうどいい」
「わーい!!やったやった!!」
「そんなぁ・・・・・・女の子と戦うって気が進まないなぁ」
「負けたらわしの代わりに食堂のおばちゃんと吉野先生にのことを紹介してやってくれ」
「全力でやらせてもらいます」
そんなに嫌か、私の世話。
まぁいい。
やっと暴れることができる。
あれ?
その前に
「私の荷物どこ?」