ドリーム小説
7
「すっげぇ・・・・・・」
「いくら不運とはいえ6年生の伊作先輩が押されてる・・・・・・」
「さん、何者なんだよ」
2人の戦いを見て観衆が騒ぐ。
それもそのはず。
一見不利だと思われていたが伊作に勝ちそうなのだから。
「くっ・・・・・・」
何で、こんなに強いんだ・・・・・・。
からの攻撃をかわす。
木刀をおろす時にできるスキを狙ってクナイを投げる。
カキィン
が、簡単に叩き落とされる。
「よっ・・・・・・と」
ギィンッ
木刀を左腕で止める。
「へー、その黒い所に鉄板入ってるんだ」
「・・・・・・っ」
返事をする暇がない。
が、攻撃を休めることなく続けるから。
「伊作!!何をしてるんだ!!さっさと反撃しろ!!」
留さんの声。
わかってるよそんな事・・・・・・。
でも、できないんだよっ。
クナイを投げようと懐に手を入れる。
が。
「・・・・・・・・・・・・」
無い。
クナイが一本も無い。
嘘でしょ?
今までクナイが尽きることなんてなかったのに・・・・・・。
「・・・・・・クナイ切れ?」
が気づいて僕に言う。
「・・・・・・・・・・まぁね」
ここで嘘をついても仕方ないと思い、白状する。
『おぉっと!!伊作先輩クナイが尽きたようです!!さぁどうする!?』
「僕のま「なら私も木刀使わない」
ポイッ、と観衆に向かって木刀を放り投げる。
乱太郎がキャッチする。
「・・・・・・え?」
「武器有りと武器無しなんて公平じゃないよ。だから私も木刀使わない」
「ははは・・・・・・すごい自信だね」
『ななななんと、木刀を使わない発言!!この試合、いったいどうなる!!』
それなら、勝てるかもしれない。
体格と力の差を考えると。
でも、自分の力を驕っちゃだめだ。
は、何をするのかまったく分からない。
「じゃ、行くよ」
ダッ
が地面を蹴り走る。
「・・・・・・・・・・っ」
寸での所で足技をかわし、僕からも攻撃を仕掛ける。
「くっ・・・・・・」
ズサッ
足を引っ掛けると、は地面へと倒れこむ。
よしっ・・・・・・。
僕はの上に馬乗りになって、肩を抑え込む。
これで腕は使えない。
「おい伊作、下級生がいる前で女襲うなよ」
うるさいよ仙蔵。
そんなことしないから。
「僕の勝ちだね」
そう言うと、はニヤリと笑った。
「甘く見んじゃねぇよっ!!」
ガッ
全身に衝撃。
「ぐっ・・・・・・」
蹴られた。
まぁ・・・・・急所を。
『い、今のは・・・・・・痛いですね』
『男にあれはちょっと・・・・・・』
実況2人のひきつったような声。
「よいしょっと」
は簡単に僕の下から抜け出して、思いっきり僕のことを踏みつける。
「痴漢撃退法。とりあえず急所を狙え」
笑う。
蹲る僕。
観衆の憐れむような声。
「私の勝ちね」
うっわー。顔見えないけど絶対ニヤニヤ笑ってる。
「・・・・・・・・・・僕の負けだよ」
僕は負けを認めた。
勝てないよ・・・・・・。