ドリーム小説
放課後、誰もいなくなった教室。
私は無言で教室に置いてあるゴミ箱を見つめる。
そして鞄からある物を取り出して、それをゴミ箱に投げ入れようとした。





「それ、どうすんだよ」





手首をつかまれた。
食満留三郎に。
私の、彼氏に。





「それ、俺へのじゃないのか?」
「何でそう思うの」
からまだ貰ってないから」
あーはいそうですか。
沢山の女の子達から大量に貰ってたって言うのに私からもまだ取るって言うんですか。
「必要ないでしょ?」
「何で」
「だって、私以外の子から沢山貰ってたじゃない」
留三郎はモテる。
彼女の私がいるのに留三郎が好きな女の子達はあきらめていない。
伊作によると、月に1・2回は告白されているらしい。
すべてきっぱりと断っているそうだが。
でも、留三郎は女の子達から沢山貰った。
私からじゃなくて、他の子から。
「それ以上貰ってどうしようって言うの?」
私が問うと、留三郎は笑った。
何で?
どうして?
何故笑うの?





、お前嫉妬してたのか?」





「なっ・・・・・・・・・・」
嫉妬!?
何言い出すのこいつは。
「そんなわけないでしょ」
「そっか。嫉妬、してくれたんだな」
「だから違・・・・・・ひゃぁっ」
グイと留三郎に手をひかれ、彼に抱きしめられる。
「俺は、からのが一番欲しいんだ」
耳元で聞こえる声。
留三郎の体温。
ああ、私、嫉妬してたんだ。
「・・・・・・・・・・ごめん、留三郎が女の子達から沢山貰ってるの見て、それで・・・・・・」
「うん、俺こそごめんな。ちゃんと断ればよかったな」
「ううん。留三郎は悪くない。そこが留三郎の良い所でしょ?」
私は、彼のそんな所が好きになったんだ。
誰にも優しい所。
「留三郎」
「ん?」
「ハッピーバレンタイン」