ドリーム小説
「ちょっと小屋行ってくる」
肩を落として八左ヱ門がとぼとぼと歩き出す。
「えええ何で小屋!?」
「ちょっと毒虫に刺されに」
「何で!?つか死ぬよ!!」
「に嫌いって言われたんだから俺が生きてる意味なんてないよ」
そう。私は八左ヱ門に嫌いと言った。
勿論本当に嫌いというわけではない。
エイプリルフールだから嘘をついてみたのだ。
なのに八左ヱ門は今日がエイプリルフールだという事を忘れているのか、私が言ったことを本気と思っている。
「ちょちょちょちょ言っちゃダメ!!」
「止めるなぁぁぁあああ俺は死ぬんだぁぁぁああもう生きてる意味なんてないんだぁぁあああ」
必死で八左ヱ門を止めようと、彼の腕にしがみつくが、男と女の差は歴然としていて、私は彼にずるずると引っ張られる形になる。
「いやだぁぁああ死なないで八左ヱ門!!」
「に嫌いって言われたんだぁあぁぁぁあ死ぬしかないんだぁぁぁああああ」
「ごめんなさいぃぃぃいいエイプリルフールだからって調子のって嘘ついてしまいました死なないでぇぇえええええ」
「死んでやるぅぅぅうううって、え?嘘?エイプリルフール?」
立ち止まる八左ヱ門。
やっと引きずられるのが止まり、八左ヱ門の腕から手を離して地面に寝転がる私。
「・・・・・・あ、そっか。四月一日か」
ペタンと座り込む八左ヱ門。
「本当かと思ったじゃないか」
「ごめんなさい・・・・・・」
「ま、いいけどな」
うおっ!!笑顔がまぶしいよ!!竹谷スマイルだね!!
「でも、たとえ嘘でももう嫌い何て言うのやめてくれよ」
「うん、絶対に言わない。ごめんね」
「許す」
「ありがと。大好きよ」
「ああ、俺も大好き」
ニカッと笑う八左ヱ門。
私はその笑顔が見れるだけで幸せ。