ドリーム小説
土曜日朝。
学校が休みだからゆっくり寝ようと思っていたのになぜか早くに目覚めてしまった。
原因は分かっている。
彼と○○さんの事が気になるから。
時計を見るともう十時。
彼はちゃんと約束の時間に来ただろうか。
○○さんを待たしてはいないだろうか。
彼は私じゃなくて○○さんがいるのを見てどう思うだろうか。
○○さんと仲良く遊ぶだろうか。
それとも帰るだろうか。

分からない。

三年間離れていたからもう彼の事は分からない。
いや、昔から私は彼の事を理解などしていなかったのかもしれない。
格好いい彼と幼馴染で私はてんぐになっていたのかもしれない。
もしかしたら私は彼の事を全く知らず、また彼は私の事を全く知らないかもしれない。





ああ、もう嫌だ。
もう悩みたくなんてない。
昔の記憶を消したい。
彼の事が好きだったという記憶を消し去りたい。
いや、今も現在進行形で彼の事が好きだから、過去の好きだった記憶を消したとしても今現在の好きという気持ちが残ってしまう。
だから、私の中から彼という存在を消し去りたい。
そんな薬があればいいのに。
飲めば一瞬で忘れることができる魔法の薬。
あったらいいのに。
もしあったら私はどんなに高くても買い取るのに。
そうまででもして、彼の事を忘れたい。





もう苦しい思いをするのは嫌だから。