ドリーム小説
「・・・・・・仙蔵?」
思わず目の前にいる彼の名前を呟いてしまう。
「久しぶりだな。の口から名前で呼ばれるのは」
彼は笑った。
同時に後悔の波が押し寄せてくる。

なんで私は彼の名前を言ったの?

突き放されたのに

突き放したのに

なのに私は彼の名前を呼んだ。

・・・・・・・・・・・・・・・・馬鹿みたいだ。





「どうやってここに来たの」
ごまかす。
「手紙に書いてただろ?引っ越し先の住所が。それを見ながら来た」
そうだった。
私は彼にこの家の住所を教えていた。
「・・・・・・なんで私の部屋にいるの」
「おばさんに入れてもらった。ちなみに、今さっき買い物に行った」
お母さん!!なんで入れたの!!
まぁ、彼だったから入れたんだそうけど。
お母さんにとって、彼は私の幼馴染だから。
「・・・・・・何しに来たの」

もう用なんてないはずなのに。

「話がある」
「私にはない」
「ああ、だが私にはある」
「帰って」


聞きたくない。

「帰ってよ」

なにも、聞きたくない。



「いいから聞け」



彼の、大きな声。
いつもポーカーフェイスだから、彼のそんな所を見るのは凄い久しぶりで、私は驚く。



「いいか。よく聞け」



その声に私は頷くことしかできなかった。




















「好きなんだ、の事が」