ドリーム小説
「いや、豆腐よりチョコが欲しい」

私は兵助が発した言葉に目を丸くした。



もうすぐバレンタイン。
私は彼氏の兵助に聞いたのだ。
「チョコより豆腐が良いよね?」
豆腐小僧と云う異名を持っている兵助の事だ。
豆腐が良いに決まっている。
そう思っていた。
なのに、兵助は言った。



豆腐よりチョコが欲しい



と。



「どうしたの兵助。頭打ったの?」
恐る恐る兵助に聞く。
別に兵助だってチョコくらい食べるだろう。
だけど、貰うならやっぱり好きな物の方が良いはずだ。
「頭は打っていない」
頭はってことは、他の所は打ったのかなぁ。
「豆腐はいつでも食べられるだろ?」
「うん、まぁそうだけど」
でも意外なんです。
兵助が豆腐以外のものを欲するだなんて!!



「それに」



兵助が続ける。
「私はの手作りのものが食べたい。
 豆腐は作れないだろ?」
「ん、まぁ、確かに」
豆腐作るのとか無理だろ。
「だから」
兵助が私の手をとる。



「私のためにチョコを作ってくれませんか?」



「え、あ、・・・・・・はい」


よし。
思いっきり特大のチョコを作ってあげようじゃないか。
たっぷり愛情をこめてね。